炎上

長い間くすぶっていた小さな小さな火種に、少しの油と、少しの空気を注いだだけで、みるみるうちに燃え広がり、女の戦いの火蓋が落とされた。

 

火をつけたのは私です。

油を注いで、空気を送って、燃えゆく様子をしかとこの目に焼き付けていました。

悪びれることもなく、騒ぐこともなく、加害者でも被害者でもない顔をして、ただただ燃え広がるのを見ていました。

そして、けたたましく音を立てて、燃えるのを見ながら、この燃えカスの中から何が生まれるのだろうと思っていたのは私です。時に涙しながら、時に笑いながら。