2023-03-22 泣 子を産んだあの夜、 熱にうなされ 傷口の痛みに苛まれながら 眠りたいのに眠れなくて私は泣いた。 あちらこちらで赤子の泣き声がする。 眠れたと思ったら目が覚める。 自分の心音がやたら大きく聞こえる。 私はあの人と眠るのが好きだった。 胸に手を当てて心音を肌に感じている時、安心していたのだ。 「生きてる」「死んでない」と軽口を叩いている時間が好きだった。 私がこの子を産んだことで失ったあの人を、 この子を産んだ夜に思う自分の情けなさに泣いたのだ。