子を産んだあの夜、

熱にうなされ

傷口の痛みに苛まれながら

眠りたいのに眠れなくて私は泣いた。

 

あちらこちらで赤子の泣き声がする。

眠れたと思ったら目が覚める。

 

自分の心音がやたら大きく聞こえる。

私はあの人と眠るのが好きだった。

胸に手を当てて心音を肌に感じている時、安心していたのだ。

 

「生きてる」「死んでない」と軽口を叩いている時間が好きだった。

 

私がこの子を産んだことで失ったあの人を、

この子を産んだ夜に思う自分の情けなさに泣いたのだ。