不時着

19時半。

ふと目線を空に向けると火の玉のように尾を引いて流れる星を見た。

 

目を疑うとはこのこと。

満月すらまんまるに見えないのに。

とんでもないものを見てしまった。

 

「あ!得した!!」

と思えたので、私はまだ大丈夫。

 

あれが流れ星じゃなかったら

兵庫大学あたりに不時着しているかもね。

炎上

長い間くすぶっていた小さな小さな火種に、少しの油と、少しの空気を注いだだけで、みるみるうちに燃え広がり、女の戦いの火蓋が落とされた。

 

火をつけたのは私です。

油を注いで、空気を送って、燃えゆく様子をしかとこの目に焼き付けていました。

悪びれることもなく、騒ぐこともなく、加害者でも被害者でもない顔をして、ただただ燃え広がるのを見ていました。

そして、けたたましく音を立てて、燃えるのを見ながら、この燃えカスの中から何が生まれるのだろうと思っていたのは私です。時に涙しながら、時に笑いながら。

 

 

おやすみ

つい、「ここに愛はありますか?」と尋ねてしまった。

もうこれ以上、自身や彼を誤魔化して継続することに意味を感じられなかった。

 

夕暮れや年の瀬が苦手な、何かを終わらせるのがとても苦手な彼に別れを決めさせた。

それは私の優しさでもあり、私のエゴそのものでもあった。

 

状況を整えなかったのは彼で。

それほどの女でなかったのは私で。

悲しいけれど終わりにしよう。

 

おやすみ。あんまり泣いたらだめだよ。