守
私は誰のことも守れないけれど
せめて私のことくらいは守ろうと思う
割
私は仕事が早い。
仕事が早いので残業が少ない。
残業が少ないと給料が少ない。
彼女は仕事が遅い。
仕事が遅いので残業が多い。
残業が多いと給料が多い。
私は仕事が早い。
仕事が早いので次から次へと頼まれる。
しかし残業はしない。
要領よく計画的に終わらせることができる。
よって給料は少ない。
彼女は仕事が遅い。
仕事が遅いので他のことは頼めない。
しかし残業はする。
いつも仕事を抱えたままから脱さない。
だが給料は多い。
何が評価されるべきなのか。
あまりにも滑稽で情けない。
対
人間も動物も植物をも
対の存在を求めている
誰にも誘われることなく
ひとりで踊り続けることに
疲れているのだと気付いてしまった
私の対はどこに
羨
育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない
とはいうものの
おそらく同じような育てられ方をしたのであろう妹となぜこんなに好き嫌いや価値観が違うかと
なぜこんなに人からの愛され方が異なるのかと頭を抱える夕暮れ
鉄塔の下で
ここでなら死んでもいいなと強く思った
答えは簡単なことなのに
この鉄塔の下で
鉄塔にいっそ私を殺してくれ
と何度願うのだろう
安
泣いたら感受性が豊かってほんま?
安易な発想は身を滅ぼすって母になろたけど?