春
波乱の予感を柔らかく抱きながら、また春が来た。
機微
会いたい人に会いに行く。
見たいものを見る。
聴きたい歌を聴く。
小さな動機で行動できる自分でありたいと思う。
私の機微を私が逃さないように。
実際に動くことで得ることの底力を知っているから。
あの時動けなかった自分を叱りたいから。
私は動くで。
マグロか!
マグロという表現、両義あるなあーあるなあーあるなあー
炎上
長い間くすぶっていた小さな小さな火種に、少しの油と、少しの空気を注いだだけで、みるみるうちに燃え広がり、女の戦いの火蓋が落とされた。
火をつけたのは私です。
油を注いで、空気を送って、燃えゆく様子をしかとこの目に焼き付けていました。
悪びれることもなく、騒ぐこともなく、加害者でも被害者でもない顔をして、ただただ燃え広がるのを見ていました。
そして、けたたましく音を立てて、燃えるのを見ながら、この燃えカスの中から何が生まれるのだろうと思っていたのは私です。時に涙しながら、時に笑いながら。
ポケット
秋の深まりに
時の流れに
置いていかれているような
追い回されているような
そんな気がしているのに
ぐわんぐわん季節が巡っている。
秋の道を行く
ポケットには缶コーヒー。
骨
抜けてはならぬ歯が抜けた。
抜け落ちた歯はなんて無機質。
人は死んだら骨になるというのは本当だなと思った。
無機質な歯をも愛おしいと思う私は生きているのか死んでいるのか。